
朝日、読売などの全国紙やスポーツ紙は昨年9月、松山聖陵高校の野球部監督が“不適切指導”を行っていたと報じた。部員に体罰を加えていたのだ。
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ことの始まりは、地元紙・愛媛新聞のスクープ記事だった。9月17日の朝刊で、「松山聖陵高 野球部監督 不適切指導 『自分の顔たたけ』指示」との記事が掲載された。内容は、次の通りだ。
◆野球部の男性監督(39)が、練習で怠慢プレーが見られたとして、監督が部員4人に「自分の頬をたたいておけ」「頭をたたけ」「壁に頭をぶつけておけ」などと指示したという。
◆外部から情報を受けた県高野連の要請で、8月下旬に調査を開始。9月上旬に報告書を提出した。
監督が自ら暴力をふるうのではなく、いわば“自分で自分に体罰を加える”ように強要するというやり口が目を引く。
また、愛媛県の高野連に《外部から情報》がもたらされたこと、体罰の被害者が4人だったことも明らかにされている。
監督には処分が下った。10月17日、愛媛新聞は「松山聖陵高 野球部監督 謹慎7ヵ月 日本学生協会 不適切指導を認定」との記事を掲載した。(末尾:註1)
《日本学生野球協会は16日、審査室会議を開き、不適切指導や体罰があったとして監督を8月30日から来年3月29日まで7カ月の謹慎とする処分を決めた》
甲子園で優勝
各紙は実名を控えたが、体罰を加えたのは同校の荷川取秀明監督だ。甲子園ファンや沖縄県民なら、1999年に春のセンバツで、沖縄尚学高校が優勝を果たした時のことを思い出したかもしれない。
荷川取監督は沖縄県出身。沖縄尚学では1番・サードだった。優勝した際、朝日新聞には《勝ち進むうちに自分に自信が持てた。楽しかった》とのコメントが掲載されている(末尾:註2)
各種資料によると、荷川取監督は高校卒業後、筑波大学に進み、松山聖陵高校に教諭として勤務。野球部の監督に就任すると、春2回、夏1回、同校を甲子園出場に導いた。更に昨夏の愛媛大会でも優勝を果たした。
優れた実績なのは言うまでもなく、全国的に注目を集める若手監督と形容しても過言ではないだろう。
実は、荷川取監督が野球部員に体罰を加え、処分されたのは今回で2回目だ。
前出の愛媛新聞は《監督は昨年(註:2019年)2月、部員への暴力などを理由に同協会から2カ月の謹慎処分を受けている》と記している。
意外な情報提供者
最初の処分は、センバツの出場校だったこともあり、実名で報じられた。共同通信が19年2月1日に配信した「選抜高校野球、2校の監督が謹慎 春日部共栄と松山聖陵」から引用させていただく。
《松山聖陵の荷川取秀明監督は報告義務違反を含めて3月25日まで2カ月の謹慎となった。部員の生活指導をする中で、顔をつかんで壁に押しつけた行為が動画で撮影されており、選抜出場決定後にインターネットで流布されて発覚した》
荷川取監督は19年に《顔をつかんで壁に押しつけ》たとして謹慎処分が下り、20年にも《自分の頬をたたいておけ》などと強要して再び謹慎処分となったのだ。
果たして荷川取監督は最初の処分で真摯に反省したのだろうか。2回目に直接的な暴力をふるわなかったのは、問題化を怖れ、やり口を変えたのではないか──こんな疑問が浮かんでくる。
そこで松山聖陵高校の関係者に取材してみると、新聞報道より遥かに深刻な体罰の実態が明らかになった。
「愛媛県の高野連に情報提供を行ったのは、他高の関係者でもなければ、野球部の保護者でもありません。2年生の野球部員が話し合って実行したのです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/54f7ab0c212857cd5570bcb387e119457f86a62f
2/19(金) 5:58配信
https://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/0/0/1500wm/img_00b457354fc93abddd5d803f1c1f4087198416.jpg
引用元: ・【高校野球】甲子園3回出場の「松山聖陵」、野球部監督が部員にコンクリの上で「顔面ヘッスラ」体罰 [砂漠のマスカレード★]
荷川取監督の体罰があまりに酷く、とうとう耐えきれなくなったというのだ。10代の少年には並外れた勇気が必要な行動だろうが、関係者によると、いきなり県高野連に情報提供を行ったわけではないという。
「最初、2年生の部員は学校側に体罰強要や暴言などの問題を相談したのですが、その内容が監督に筒抜けになってしまったのです。監督は激昂し、2年生に向かって『文句があるなら自分に言え。自分に言ったら退部だ』と言い放ちました。これで部員は八方塞がりになってしまい、更に話し合いを続けました」
そこで、ある部員から「高野連に助けてもらおう」との提案があった。賛成する部員、反対する部員、「どうでもいい」という部員など、反応は様々だったという。
「結局、1人の部員が電話しました。彼は部室で部員の携帯電話を使い、スピーカーのボタンを押して高野連に電話をしました。立ち会った2年生の部員に会話を聞いてもらうためです。こうして“直訴”が行われました」(関係者)
この荷川取監督だが、普段は非常に穏やかな人柄だという。
「礼儀正しく、腰の低い人物です。沖縄県人らしい大らかさというのでしょうか、ゆったりと構えた人物という印象が強いですね。ただ一度激昂すると、部員に当たり散らさない限り収まらないようです。どうも怒りのスイッチが入ると豹変してしまうみたいなんですね」(関係者)
取材で浮かび上がった荷川取監督の体罰をご紹介しよう。
◆練習でエラーなどのミスをすると、「ヘッドスライディング」や「顔面ヘッドスライディング」を強要される。
◆「自分で自分の顔を叩け」、「壁に頭をぶつけろ」と強要された部員は少なくとも10人程度。荷川取監督が「弱い、もっと強くしろ」とやり直させることもあった。イライラしていると強要することが多く、怒りのあまり手が震えていたのが強い印象に残っている。
◆授業中に居眠りをしていたり、風紀上の違反が見つかったりすると、草抜きや掃除の罰を科されることもあった。長い場合、1か月程度の罰になることもあった。
◆約60人の寮生に数十分間、正座を命じたことがあった。寮の外で、コンクリートの上で正座するよう要求したため、足に相当の痛みを感じた。
◆暴言が酷い。「お前がいるから試合に負ける」、「グランドから出て行け。帰ってくるな」、「試合に負けたら、お前のせいだからな」、「このクソ野郎、カス野郎、ボケ野郎」、「そこで待っとけ、ぶん殴ってやる」、「昔だったら、お前はボコボコにしていた」──など。
◆2人1組でトスバッティング中、ボールを投げる役割の選手に「顔面にボールを当てろ」と指示を出した。途中で監督が自らトスを代わり、選手の顔面や太ももにボールを強く投げつける。苛立つと、バッティング練習とは言えない指導をする。
他にも「腿を蹴られそうになった」、「『顔面を蹴ったるからしゃがめ』と強要された」という証言もある。
中でも部員にとって最も苦痛だったのが「ヘッドスライディング」と「顔面ヘッドスライディング」だったという。
「監督が『ヘッド』と部員に命じたら、いつでも、どこでも、部員はヘッドスライディングをしなければなりません。更に酷いのが『顔面』です」(関係者)
ヘッドスライディングは胸や腹で滑り、顔は正面を向くのが基本だ。一方、荷川取監督が命じる体罰としての「顔面ヘッドスライディング」は、顔が下を向かなければならないという。
「つまり肩から地面に着地するような格好になり、顔を顔面にこすりつけながらヘッドスライディングを行うわけです。グラウンドでも擦り傷ができますし、顔は砂まみれです。そして荷川取監督は、たとえコンクリートの上でも『顔面ヘッドスライディング』を命じることがあります」(関係者)
たとえ衆人環視の中でも、荷川取監督が顔面ヘッドスライディングを命じたこともあった。昨年8月に行われた試合でのことだ。
「試合中、選手が監督の指示を間違えてしまいました。そのイニングが終わると、試合相手の選手や監督がいるにもかかわらず、荷川取監督はベンチに戻ってくる選手に罵声を浴びせ続けました。更にベンチの中で、選手に顔面ヘッドスライディングを命じたのです。もちろん下はコンクリートです。選手は半ば反射的に体を動かしました。顔の傷より、肩を硬いコンクリにぶつけたことのほうがダメージは大きかったそうです」(関係者)
相手チームの選手も監督も見ている前で、顔面ヘッドスライディングを命令したわけだ。こうした荷川取監督の姿勢が、2年生を精神的に追い詰めたのは間違いない。
だが、荷川取監督も高校側も、今回の事案を真剣に反省しているのか、疑わしいと思う保護者も存在するという。
「昨年10月に開かれた保護者向けの説明会で、校長は荷川取監督の責任問題を問うどころか、引き続き野球部の指導を続けさせると明言しました。そもそも高野連の処分が10月に発表されてからも、ちょくちょくグラウンドには顔を出し、監督代行に指示をしたり、部員に直接指導したりしていました。ところが、なぜか11月末から、ぴたりと監督は来なくなりました」(関係者)
今後の指導方針は?
保護者の中には、高野連などに「不適切な指導は他にも証言がある」とし、荷川取監督に更なる処分を求めている者も、ごく僅かではあるが存在する。
高野連や、その上部機構である日本学生野球協会の判断が注目されるが、現状のままであれば、荷川取監督は4月に指導を再開する予定だ。
今後どのような姿勢で部員に接するのか、愛媛県というより、全国の高校野球関係者が注目することになるだろう。
註1:引用は全角数字を半角に改めるなど、デイリー新潮の表記法に合わせた。
註2:朝日新聞・西部版・1999年4月5日夕刊「沖縄に優勝旗渡る 選抜高校野球(報! )」より
デイリー新潮取材班
こんなやってるよ
警察に行けよ
人としておかしいだろ。
いまだに9割くらいの学校がこうだろうけど
言い逃れできるようにセルフ体罰させるとか
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